秋風を感じる10月。
大阪府泉佐野市、泉州地域にある
神藤タオルさんの工場へ訪問しました。
SHINTO TOWELの魅力って一体なに?
その魅力を余すことなく、お伝えします。


大阪の町、泉州。

大阪の泉州地域。
ここは今治と並ぶタオルの一大産地。

泉州地域には後晒し(あとざらし)という伝統的な技法を
用いた独自のタオルづくりが根付いていて、
この泉州地域の泉佐野市に
「SHINTO TOWEL」ブランドを作る
神藤タオルの工場があります。

遠くに見える山脈と、
のどかな街並みの中を歩いていると、
神藤タオルさんの看板が見えてきました。

後晒しとは?

タオルを織り上げた後に、糊付けや糸に含まれる油分・不純物を洗い落とす工程を後ざらしといいます。後ざらしを行うことで、おろしたてから清潔で吸水性の良いふんわりとしたタオルが楽しむことができる、大阪の泉州地域ならではの技法です。

神藤タオルさんは創業100余年の老舗。
看板が旧漢字になっていて、
まるでこれまでの長い歴史を物語っているようです。

事務所内に顔を出すと代表の神藤貴志さんが
あたたかく迎えてくれました。
早速、神藤社長に工場を案内していただきます。

SHINTO TOWELの工場のヒミツ

工場に足を踏み入れると、せわしない
「ガシャガシャ」という機械音が聞こえてきます。

タオルが作られている織り機の音です。
とても大きな織り機が工場内に
ずらーっと並んでいる光景は
「圧巻」のひとこと。

神藤タオルさんの工場では新旧の織り機が3種類あり、
それぞれの機械の性能によって
できるタオルが異なるのだそう。
まだ1歩しか踏み入れていないのに、
タオルの奥深さが伺えます。

それでは、それぞれの織り機の違いを
みていきましょう。

まずは一番最新式の「エアジェット」
量産向きなので恐ろしいほど猛スピードで
タオルができあがっていきます。

神藤社長に「織られているのが見えますか?」
と聞かれるも、
「・・・み、見えない」としか言えません。

「織り機」についての知識がほとんどないので
布を織る機械と言われると、

日本国民なら誰でも知っているであろう
「鶴の恩返し」のはた織り機をついつい
連想してしまうのですが、
きっと鶴が1万羽いてもこの織り機の
スピードには勝てない。
そんなスピードです。

次に、古いタイプの「レピア機」
これは「2.5-PLY GAUZE TOWEL」を
織っている機械です。

こちらもスピードは速いけれど、
エアジェットと比べると目に見える速さ。
布地ができあがっていく様子がきちんと見えます。

レピア機の少し遅めのスピードは、
織り方に工夫を加えられる利点があるのだそう。
エアジェットのように
一気にたくさんは作れないけれど、
レピア機で織るからこそ従来のタオルとは違う、
さらっと柔らかい独特な風合いの
2.5重ガーゼができあがるのだと神藤社長はいいます。

それぞれの機械には織り方を指示する
こんな紙がついています。
小さな穴が無数にあいていて、
これがコードになっているんですね。
織るタオルによって毎回つけかえているそう。
もし、私が工場で働いていたら誤って破ってしまって
波平よろしく「ばっかもーん」と、
怒られてしまいそうです...。

今度はまたちょっと違った光景が。
ここではひたすら糸が巻かれています。

入荷した糸を再度巻き直しているそうなのですが
ただただ巻き直しをしているわけではなく、
糸に弱くて、切れやすい部分がないか
チェックをしているのだとか。

品質の良いタオルを作るのに細かいところまで
余念がありません。
織る前の工程にも丁寧に
手間をかけているところを見ると、
確かな製品だと強く実感できます。

最後に、3つ目の機械「シャトル機」

なんと、昭和57年に製造されたという年代もの。
もうすでに製造がされていない古い機械です。
この機械によって、INNER PILE TOWELは
作られています。

とてもアナログなシャトル機は
細かい部分を改造できるため、
複雑な工程のタオルも作れるようにできるのだとか。

コンピュータ化された機械ではできない風合いを
シャトル機は生み出すことができます。
インナーパイルタオルはこの機械でしか作れません。

シャトル機に寿命がきてしまったら
インナーパイルタオルは製造終了となってしまいます。

それを少しでも防ぐために、部品交換用として
1台の機械を保管しているのだそう。

今しかできない製品だからこそ、
これまでに培われた技法や道具を
大切に扱い、丁寧につくりあげているのです。

  

シャトル機の傍らには風格のある男性が。
この道50年以上のベテラン職人さんです。

複雑なインナーパイルの製造やシャトル機を熟知して、
メンテナンスや修理まで一挙に手がけるこの道のプロ。

インナーパイルタオルの製造にとって
欠かせない存在です。

ここで、壊れた部品を修理したりしているんですよ、
と職人さんの作業スペースを覗かせていただきました。
たくさんの道具が置かれていて、
作業風景が浮かんできます。

量産体制は組めないけれど
これまでの歴史や技法が
カタチとなって生み出されているのが
INNER PILE TOWELなのです。

こうして糸は布となり、後ざらしの工場に運ばれます。

後ざらしとは糸についた不純物を取り除き、
白く漂白し洗い上げる工程のことで
後ざらしを行うことで清潔で使い始めから
吸水性の高い気持ちのいいタオルとなります。

大阪の泉州地域ならではの伝統的な手法で、
この風合いは他の地域のタオルでは
味わうことができません。

倉庫には後ざらしを控える生地たちがたくさん。
そして、その前にはアンティークな荷台が。
巻かれた布は機械で運ぶことができる現代ですが
織り機と同じく、この荷台も丁寧に長年愛用して
大事に使っているのだそうです。

こういう昔ながらの伝統を大事にするところにも
神藤タオルさんの理念が込められています。

歴史ある神藤タオルさんですが、
これまでの伝統を重んじるだけでなく

現代に通ずるものを作らないといけない
と話す神藤社長。
洗練されたデザインのタグや、
今までにない風合いのカラーなど、
新しいことへ挑戦されています。

「タオルではあるけれど、
タオルだけにとどまらないものにしたい。」

触れることで安らぎをもたらせてくれる
SHINTO TOWELの製品は
タオルケットや膝掛けなど、
1枚で何役もこなしてくれる
タオルという概念を突き破った
優秀なファブリックなのです。

SHINTO TOWELのお手入れ

お洗濯の際は、ネットに入れてください。
また、柔軟剤のご使用はオススメできません。
繊維に柔軟剤による薬剤がコーティングされるため吸水性が劣る原因となります。それでも、柔軟剤のご使用をされたい場合にはお洗濯回数5回のうち、1回の頻度がオススメです。

「タオルを乾かす際に、パンパンと振ってから干すとタオルがふっくらする。」
という裏技の干し方がありますが、短い方を持って力強く振るうとタオルの繊維にダメージがかかるため、あまりオススメできません。
もし、乾燥の際にこういった干し方をされる際には、長い方を体の正面に向け優しく振って乾かすことをオススメいたします。

いかがでしたか?

懲りにこだわった、神藤タオルのSHINTO TOWEL。
伝統的な技術と現代の努力があわさって
できた確かな製品です。
それぞれの商品ページにも
たくさん魅力をご説明しています。

ぜひ、ご覧ください。