長野県の軽井沢近くで製作される、
後藤睦さん。
パン皿と共に、今回ラインナップに仲間入りした漆のお皿。
「千紋リムプレート」
美しい線状の模様や、深みのある漆の色。
そして使い心地に配慮した後藤さんの気遣いが嬉しいヘビロテしたい一生物の食器です。
漆というと、ちょっと身構えてしまうというかすごく高級なイメージがあるけれど、実はとても使い勝手がよく、木部が傷みにくいから結果コスパがいい。
木のお皿は油やソースや色んなものが染み込みやすいけれど、漆の器はそれらの心配がないんです。
それに木だから割れる心配がない。
気に入って手にすれば、
一生使えるアイテムなんです。
そんな特別な漆ですが、このお皿はそれを一部削るという大胆な仕上げを施しています。
それは「漆」だからと気負って使わず、日常使いできるお皿にするため。
詳しくそれを説明すると
黒漆を重ねた後、木を削った時の「挽き目」が浮き立つよう表面を磨くことで、木肌を出しオイル仕上げを施しているとのこと。
リム部分と裏面にその表情が出ています。
丈夫な漆ですが、ずっと扱っていて落とした時、フォークを当てた時、絶対に漆が削れないとは言い切れない。
漆が剥がれた時、傷がついた時、きっとショックを受けてしまう。
でもどちらかというと、日常の生活に寄り添うように気兼ねなく使ってほしいと作られている器。
だから後藤さんは最初の時点で、今後ついてしまう傷や色褪せが目立たないよう、あえて経年変化しているような加工を施しているのです。
プレートの本体には線状のラインがあります。
これは「千紋リムプレート」の名前である千紋を指していて、波紋のような模様が出るような削り方を施すことをいうそう。
全体的にその波紋の線が浮き出ていて、美しい仕上がりです。
木の元々の素材は、アサダというあまり聞きなれない木材なのですが、後藤さんが手法としている木工ろくろ向きの木材らしく、千紋の繊細な模様を最大限に引き出してくれています。
▲左が7寸、右が6寸
そして、前回のパン皿でも手に取った時の驚きを語りましたが、今回は「軽さ」にど肝を抜かれました。
後藤さんは割れないお皿であることから、ピクニックなどのアウトドア時での紙皿代用にとおすすめしているのですが、その重さは紙皿に匹敵するんじゃないか。というくらい軽いんです。
▲指2本で持てる軽さ
確かにこんなに軽いなら、外に持って行っても負担じゃありません。
無駄なゴミも出ないし、紙皿程不安定じゃなくて使いやすい。
普段も棚の高い位置にあっても取り出しやすいし、子供用のお皿にしたらちょっと勿体無いかもしれないけれど、投げられても床が傷付かず、安心。(色んな意味で叫ぶかもしれないけれど)
子供用のお皿って大人になったら使いづらいデザインばかりだけれど、これならひょっとしたら100年物になるかもしれない。
そして、そんな幼少期からいいもの使わせてくれてたんですかい、おっかさん。となる訳です。
綺麗に削り出されているので、横からのラインもとても美しい。
今回入れたお皿はあまり大きいものはないけれど、漆の器は油が染み込みにくいから、唐揚げやカレーや、パスタなどにもいいんだそう。
千紋の美しさが素敵で趣きがあるので、簡単な料理も料亭マジックがかかりそうな後藤睦さんの千紋リムプレート。
日々に寄り添う器として、こういうものもいかがでしょうか。